2017年12月7日木曜日

雨と木曜日(149)

2017.12.7.

今回は、カティア・ブニアティシヴィリ(続)* 映画「ダブリンの街角」*『周縁のイメージ:中世美術の境界領域』

十二月はせわしなくなりそう。午前中は快晴で、神社へお参りに行った。澄んだ水や落ち葉が美しい。


いまさらながら、カティア・ブニアティシヴィリ(p)はやっぱりすごかった。ショパンもよいし、感性的な揺らぎがオーロラのような色彩を生み出している、かな。

映画「はじまりのうた」は夏頃に観て気に入り、いまでもサントラを聴くのだが、同じジョン・カーニー監督の「Once ダブリンの街角」を観た。こちらはストリートミュージシャンの恋愛を描く。ストーリーの起伏に乏しいと感じたが、ダブリンの街並みにふたりの姿が映える。

はじまりのうたサントラ

『周縁のイメージ:中世美術の境界領域』(ありな書房)を読む。主にゴシック期の写本を扱い、その欄外に描かれた図像を読み解いていく。芸人やスカトロジーや怪物といった滑稽でばかばかしい図の数々は、中世庶民の生活を映し出し、さらに無名の図像画家たちの「自己」を映してもいる。そうした周縁部は活き活きとして肯定的な遊びに満ちているが、ルネサンス期には本文に従属させられてしまう。