2017年8月24日木曜日

雨と木曜日(141)

2017.8.24.

友人の出版した話題書といっしょに

木曜日更新のエッセイ。
今回は、auショップ * タルコフスキー『ローラーとバイオリン』* 禅問答?と哲学書。



母の付き添いでauショップへ久しぶりに行ったが、賑わっていた。あちこちでいろんな質問や文句(?)を言う声が聞こえる。若い夫婦らしきひともサラリーマンもいる。店員さんは制服をビシっと着こなして丁寧な応対。

母のプラン変更についてもよどみなく説明をしてくれる。こういうサポートがあれば、デジタルに強くないひとも助かるよね。大手キャリアへのニーズはまだまだ続くだろうな、と思った。

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映画監督のアンドレイ・タルコフスキー『ノスタルジア』を観て、いとおかしく、処女作の中編『ローラーとバイオリン』を続けて観た。水のモチーフはすでに詩的に活かされて、鏡もよく出てくる。ロングショットはまださほど長くはない。静かでユーモアを感じさせ、静謐だが活気もある。とてもよい鑑賞体験だった。

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『遊戯哲学博物誌』が完成して手元に届き、さっそくお世話になったひとへ献本に行った。すると、「瞑想について書きましたか」と尋ねられた。ブッダと禅が好きな方だ。こんな話を聞かせてくれた。

「あるところにふたりの修行僧がいて、たばこを吸いたくなった。師匠のところへ行き、許可をもらう。ひとりは許可され、ひとりは拒否された。『きみはなんと尋ねたのか』。『たばこを吸いながら、瞑想してもよいでしょうか』と尋ねた僧はOKをもらい、『瞑想しながらたばこを吸ってもよいでしょうか』と尋ねた僧はダメだと言われた」。

という話。いかにも禅問答、公案のようだ。瞑想や禅のような話を聞くと、なるほど、『遊戯哲学〜』は東洋の逸話や神話も採り入れているけれど、根っこのところは「理論」「概念」「博物誌=知識」に拠っている。やっぱりこれは西洋哲学の系譜なのだな〜と実感する。