2017年8月3日木曜日

アカデミックとその外

雨と木曜日(139)に代えて。友人との話から考える、アカデミックな世界とその外での経験。


先日、友人の博士論文の公開審査会に行ってきた。緊張の強い応対がなされ、3時間ののちに合格が発表されたときは我がことのように嬉しくなった。いつの間にか感情移入していたのだ。(笑)



ぼくは修士号はもっているが、博士課程に在籍したことはない。理由はもろもろだが、結局のところ、その時点で在野が向いていたと確信したし、いまでも判断を誤ったとは思わない。

ただ、ここ2,3年、アカデミックの世界で活躍するひと(教授、専任講師から博士号を取る前の友人まで)と触れて、その良心的な感性や知性のありように感銘を受けることが増えた。

もう、学術の世界(つまり、大学だ)に戻ることはない、と思うが、それでも彼らの活躍には胸が踊るし、バイタリティに驚くし、なにより人文系の成果は面白い。

そんな憧れを博士の友人に話してみた。すると、「アカデミックな世界のなかでは、まちがったことや誤りの可能性があることを言えないムードがあり、そのために会話がぎこちなくなったり、言いたいことを言えなかったりする。自由な発想で無防備にものを言う雰囲気はなかなかない」という旨の返事をもらった。

なるほど。アカデミックな人間関係の外で、こうして自由に好きなことをーー自分の将来、やってみたい創作活動なんかも含めてしゃべれるというのはお互いにとって貴重な時間なのかもしれない、と思った。