2016年8月25日木曜日

雨と木曜日(95)

2016.8.25.


木曜日更新のエッセイ。
今回は、北国の秋の雲〜珈琲に合うお菓子〜80年代スヌーピーコミック。


札幌は秋の雲だ。早くも、うろこ雲がさらさらと織り成されている。「天高く馬肥ゆる秋」というけれど、秋の雲は少なくとも、低いところにかかっているように見える。それにまだ潤いを帯びたいっそう青い空でさえ、ぐっと地上に近づいて見える。朝晩には爽やかな風が吹く。西日は射すがさほどでもない。もう、ものみな頭を垂れるような、傾いた光のなかにある。いともかんたんに短い秋に差し掛かり、ささやかな哀愁が漂う。

***

珈琲に合うお菓子の話。「珈琲とお菓子 つぐみ」というお店では、フランス菓子を中心に月替わりのケーキや冷たいお菓子を用意している。フラン(カスタードのタルト)、ブラマンジェ、名前を唱えるだけでそちらの世界へ引き込まれるが、ふだん取り揃えている焼き菓子がまた美味しい。ふわさくの「サブレ・ヴィエノワ」(ウィーン風サブレ)、メレンゲ菓子、お気に入りのアルレット(アーモンドの香味)。お店の珈琲にぴったり。


***


スヌーピーの原作は新聞紙上の漫画である。1950年代から、作者の死後に掲載された2000年まで続いた。日本では「スヌーピー」のアイコンと愛称で親しまれているが、原題は「ピーナッツ」。編集者がつけたものらしい。スヌーピーに6匹の兄弟がいるなど、細かな設定もいろいろ。そんな幅広い世界をもつシリーズのセレクションで去年出たものを読んでいる。50年代から90年代まで、10年おきに1巻を編むもの。80年代が最盛期!

【書誌情報】
『スヌーピーコミックセレクション 80s』、チャールズ・M・シュルツ作、谷川俊太郎訳、角川文庫、2015