2016年7月7日木曜日

雨と木曜日(89)

2016.7.7.

木曜日更新のエッセイ。
今回は、七夕を2つの土地で〜ブルーボトルコーヒーの感想〜シェイクスピア『夏の夜の夢』。



七夕。関東では7月7日で、例年は雨がちだけれど、今夜は晴れた。夜風もほんの少し涼しい。実は、北海道では8月7日のところが多い。この点、仙台の七夕(お祭りが有名だ)とも同じ。東北からつながっているのか。函館(7月7日)ではお菓子を配る習慣があり、子供たちが家を回るというからハロウィンに似ている。今年は、桜も東京と札幌で、2回観た。七夕もこちら(東京滞在)と札幌で2回過ごせる。願い事はひとつにしておこう。

***

やっとのことでブルーボトルコーヒーを飲んだ。「シングルオリジン」を選び、産地のはっきりしているルワンダの珈琲を飲む。2人の落とし手が、それぞれ3つのカップを同時にペーパードリップ。待つ客はそのパフォーマンスを眺める。コーヒーメーカーの方が味は安定しそうだ。コーヒーは量は多くて、味は薄め。豆は高級なものに思えるし、焙煎も良さそうなだけに、なんだかアメリカ式のブランド商売で、味がもったいない。


***


シェイクスピア『夏の夜の夢』を新訳で。2013年に出版された河合祥一郎さんの訳。『ハムレット』の訳が名文で素晴らしかったから、角川文庫のこのシリーズにも期待していた。全体の1/3ほどが脚韻を踏んで書かれた台詞。ここをすべて日本語で脚韻を踏む(!)ように訳している。妙技だ。リズムもいいし、言葉遣いも楽しいし、これで上演もしたそうだ。メーデー(5月1日)に夏至(6月24日)に、時空を超えた妖精騒ぎ。

【書誌情報】
『夏の夜の夢』、シェイクスピア、河合祥一郎訳、角川文庫、2013