2016年5月26日木曜日

雨と木曜日(84)

2016.5.26.


木曜日更新のエッセイ。
今回は、大通公園のあおぞら読書会〜アフリカの珈琲〜『社会を変える仕事をしよう』。


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5月の日曜日、大通公園の芝生のうえで開かれた読書会に参加。おりしも札幌は28℃ほどあり、観測史上の記録を北海道各地で更新していた。直射日光がきらきら照らして、暑さに弱いぼくは1時間もいられずに抜けてしまったけれど、大通公園はライラックまつりでにぎわい、木陰でワインを飲み、出店が立ち並び、ステージで騒ぎ、みんなが笑顔のようだった。素敵な日和で、青空の読書会もよいアイデアだ。少し涼しくなり、6月へ。

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アフリカの珈琲。まず、ケニア・マサイを飲んだ。本格的なお店で淹れてもらい、「複雑な風味、アフリカの珈琲には大地の味がする」と言われたが、実際に、とてもおいしく、たしかに複雑な味がする。新鮮な土が口のなかで踊り回っているよう。パワフルな暴れる珈琲だ。それでいて、ボディの強さに頼らず、繊細さも併せ持つ。すごいな。その後、別の店でブルンジの珈琲豆を見つけて家で淹れたが、やっぱり大地の香りがする。

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佐野章二『社会を変える仕事をしよう』を読んだ。誰それ?と思うかもしれないが、ビッグイシュー日本の代表で、日本での創設者だ。始めて10年目に書かれた本。いままでを振り返り、ビジネスの体験に即しながらも、市民活動による社会問題解決へと話を広げる。正直、一冊目の『ビッグイシューの挑戦』の方がアクチュアリティを感じたが、それでも良書とは思う。ここ数年でソーシャルビジネスも浸透してきたという実感がある。


【書誌情報】
『社会を変える仕事をしよう』、佐野章二、日本実業出版社、2013