2015年11月30日月曜日

【本と珈琲豆】風のささやきを聴け

ネイティブ・アメリカンにインタビューした話の実録。それとはべつに、古くからの言葉で引用されていたものを載せる。詩のよう。


”我々の半身は火、半身は夢である。
我々は、母なる大地にミアヘイユンーー全宇宙ーーを映す現身(うつしみ)。
この地上に経験するためにやって来た。
我々は、果てしなくめぐる季節の中で、ちらと閃く手の一振り。
太陽の幾百万の火に束の間だけ身をさらし、
その輝きを映す、すべてのものと語らう。”

ーーファイアー・ドッグ(シャイアン族)

次の警句は、恋愛礼賛の西洋社会と真逆で面白い。メディスンマンは祈祷師のような存在。

"愛の歌は危険だ。
もし愛の歌を歌い始める男がいれば、
我々はメディスンマンを呼びにやり、
男が歌をやめるよう治療してもらう。" 

ーーパパゴ族

こんな思想も。

"インディアンは、静けさとは、
心が完璧に落ち着いたしるしだと深く信じている。
静けさは、体と心と魂の完全な釣合い、すなわち安定である。
自分を保っている者は、
いつも落ち着いていて、生存の嵐にもびくともしない……
静けさはどんな実をつけるのだろう?
それは自制、真の勇気すなわち我慢強さ、
辛抱強さ、気高さ、そして敬虔さ。
静けさは、人格を作るいしずえなのだ。"

ーーオヒイェサ(サンティー・スー族)

【書籍情報】
『風のささやきを聴け』、チーワ・ジェームズ編、ハーディング・祥子訳、めるくまーる、2000