2015年9月12日土曜日

雨と木曜日(62)

2015.9.10.

きたこぶしの実
今回は、ぶるーべりーしょうゆ〜さわめ珈琲〜ペドロ・パラモ読了。


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豚の生姜焼きぶるーべりーしょうゆ仕立てを作った。味つけに「ぶるーべりーしょうゆ」を使っただけなのだが、これは変わった調味料だ。ワインビネガーの香りに似て酢が利いており、しょうゆなのにすっぱい。いただきもので、説明書がついていたのだけれども、どこかへやってしまっていまではどういう製品なのか、実はよくわからない。ともあれ、せっかく台所に加わった「ぶるーべりーしょうゆ」であるから、サラダにも使ってみたい。

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今回の珈琲遍歴は、通りすがりに始まる。愛海詩(えみし)というお店の前を通りかかったとき、ガラスのドア越しに女主人と目が合った。知己だったから、こんにちは、とお店に入ると、「今回の展示はこれこれで」と2階へ案内してくれる。降りてくると、さわめ珈琲が入っていた。西区西町の自家焙煎珈琲店らしく、コクの強い深煎りのおいしい味がするが、お店へ行ったことはない。落とし方も素敵ではないだろうか。お饅頭付きでした。

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『ペドロ・パラモ』を読んだ。一回読んだきりでは全貌が掴めない。死者の話だ。死人たちは亡霊となって現れ、土地もまた死ぬ。そして、死んだ土地は「黄色い酸っぱい臭い」を放ちながら、荒涼とした石塊(いしくれ)になってゆく。「ペドロ」は「石」、「パラモ」は「荒れ地」の意味だそうだ。主人公は、見たこともない父親の「ペドロ・パラモ」を探しに荒れ地へ赴くが、それは七十の断片から成る追憶と暴力の果ての風景に連なる。


【書籍情報】
『ペドロ・パラモ』、フアン・ルルフォ作、杉山晃、増田義郎訳、岩波文庫、1992