2015年8月14日金曜日

雨と木曜日(58)

2015.8.13.


今回は、北海道の気候の変化〜珈琲スランプ〜『数学という学問 概念を探る』。


北海道の気候がどんどん変わっているらしい。ここ十年ないし数年がおかしい、と地元のひとは言う。もっと数十年前から見れば、降雪量が格段に減った、という話も聞くが、ここ十年ほどの変化はより急激なようだ。ほんとうに暑い時期はせいぜい一週間で、お盆を過ぎれば秋と言われた札幌も、三年前、去年は真夏日が続き、クーラーを買う家庭も増えていると聞く。今年は蒸して湿度が高く、北海道らしい「からっとした」夏ではない。

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いままで通りに落としても珈琲をさほど美味しいと感じなくなっている、という話を二週間前にした。残念ながら、いまも日々、珈琲を一杯、こっくりと淹れて楽しみたい、と思っているのに、果たせない。外で飲む珈琲も、つきあいで飲んでいると味がよくわからない。ジュースにしてしまうときもある。なんだろう、体調が良いのだが、健康になるにつれ、からだの奥底からの珈琲を飲みたい気持ちは、少なくなるものなのか。

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『数学という学問 概念を探る』。平明な文体なのに、とてもエキサイティングな本。「概念を探る」というところにポイントがあり、数学史を追いながら、たとえば「小数」や「実数」という概念がいつ、どのように誕生し、また「対数」「微分積分」といった新しい概念が数学に与えた広がりを記述する。また、天文学や哲学といった背景にも目を留める。こうして、史的に概念を見直すことで「数学という学問」のあり方を描く。


【書籍情報】
『数学という学問 概念を探る』、志賀浩二、ちくま学芸文庫、2011