2015年5月28日木曜日

雨と木曜日(48)

2015.5.28.


今回は、すずかけの木の初夏〜徳光珈琲〜『ギルガメシュ叙事詩』。

すずかけの木の存在感。大きくずっくと立っている。白樺と樹高は変わらなくても、白樺がすいっと細いのに対して(よく強風に倒れないもの)すずかけはどっしり地面に腰を下ろしているみたいだ。カツラやはるにれのように樹皮に裂け目が入るわけでもなく、すらりとした風情もどことなく北国に似合う。若葉の生い茂ること豊かで、つり下がっていた実も見えないのか、落ちたのか。木々に囲まれた青空はいっそう広く夏らしい。

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徳光珈琲へ通う。通うといっても、2回行ってみた。よいところのひとつは、函館のフリーペーパー(蔦屋書店発行)のPeepsが置いてあるところ…でもあり、もちろん珈琲がおいしい。ドリップコーヒーはブレンドとストレートがそれぞれ、浅煎り〜深煎りまで5段階用意されている。酸味が強めのコスタリカや東ティモールを頼んだけれど、すきっとしてすぐれた味わい。それにしても、珍しい豆を揃えていて面白い。マドレーヌあり。

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『ギルガメシュ叙事詩』は、世界最古の文学と言われる。くさび形文字で残されており、アッカド語(古バビロニア語やアッシリア語など)と言うらしい。石版が断片的に残されているため、抜け落ちている箇所も多い。それでも、19世紀以来の研究の成果でかなり解読されているのは驚嘆。メソポタミア地方の都市ウルクの王、ギルガメシュが半獣半人のエンキドゥとともに繰り広げる冒険。怪物、神々、死と永遠の生命をめぐる物語。


【書誌情報】
『ギルガメシュ叙事詩』、矢島文夫、ちくま学芸文庫、1998