2015年2月12日木曜日

雨と木曜日(34)

2015.2.12.


雪道を30分以上、歩いたのち、りたる珈琲へ入る。ふだん、りたる珈琲にひとりで入ることはないが、今日は置いてある雑誌のバックナンバーをしばらく読みたいと思った。席に着くと、「燻製コーヒー」という新しいメニューに気がつく。ついでに、バレンタイン限定のロールケーキセット。自分を甘やかしてしまった。いろいろな雑誌が取り揃えられているなかで、4冊をぱらぱらとめくる。はじっこの椅子で人知れずリラックス。


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七福神の珈琲を飲んだ。まだ7つではなく、3つなのだが。珈琲ヒルズという町田にある自家焙煎の工房で、まち作りとタイアップして「原町田七福神」というコーヒー・ドリップバッグを発売した模様。絵柄がいちいち面白い。味のあるパッケージだけでなく、なかなかおいしい珈琲を楽しめる。深煎りは舌のうえでざらつくほどの焦げがあり、浅煎りはさっぱりと。中深煎りのグァテマラが一番、おいしかった。香りの高さがぴかいち。


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高校生の頃から折に触れて読み返す、『漢詩をたのしむ』。新書なので、解説も行き届いて読みやすい。章ごとにテーマがあり、「志を歌う」「別れ」「酒」「郷愁」……と並ぶ。とくに好きなのは、友との「別れ」を歌う詩。唐の詩人は教養ある官僚なので、左遷されたり、任地が変われば都を離れる。「西のかた陽関を出ずれば 故人無からん」。陽関(ようかん)という、敦煌(とんこう)のそばの関所を出れば、知人もいないだろう、と。


【書誌情報】
『漢詩をたのしむ』、林田愼之助、講談社現代新書、1999