以下は、第9回本のカフェ「ムーミン+哲学」で紹介者の方が制作してくれたレジュメです。許可を得て転載します。ご参考に!
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2014/07/24 本のカフェ第9回
【ぼくらの共同幻想論】
内村友紀
吉本隆明(1924~2012)詩人、思想家、評論家。戦後最大の「知の巨人」。
≪3大著作≫
『言語にとって美とは何か』(1965)、『共同幻想論』(1968)、『心的現象論序説』(1971)
≪共同幻想論のインスピレーション≫
マルクス「国家とは共同の幻想である」
文学論をつきつめていく過程で浮上した「ヒトの心」の問題
[本論]
≪ヒトの心の幻想領域≫
・自己幻想 個人の心の内部の幻想領域/芸術・文学・音楽など文化全般
・対幻想 (心の動きとしての)性的な1対1の関係/夫婦、兄弟姉妹=家族
・共同幻想 3人以上のヒトが集まってできる幻想領域/村落共同体~国家
「自己幻想と共同幻想は逆立する」
≪ひとりの心の動きがやがて国家をつくっていくまで≫
1.自己幻想と共同幻想が未分化な状態
「黙契」から「禁制」(幻想権力)へ/入眠幻覚と民族譚/共同幻想を対幻想のように扱う「巫女」/作為された幻想「死」
2.自己幻想から対幻想へ移り変わっていく心
対幻想の根源「夫婦」/仮構の性的関係=兄弟姉妹に分離された「呪術」と「権力」/農耕祭儀と対幻想
3.対幻想が共同幻想と同致していく過程
親子の対幻想がうんだ「時間制」と母系社会
4.共同幻想が「国家」へ移りゆく過程
「天つ罪」(農耕法規)と「国つ罪」(婚姻法規)
/「人間は自然の一部であるのに対他的な関係に入り込んでしか生存が保てない」/高度な共同幻想を持つ「国家」の成立と内包された矛盾
(おまけ)わたしと共同幻想論