2014.7.17.
今年に入ってから、万年筆はお気に入りの筆記具になっている。まだ使い始めのうちだから、新鮮な気持ちで、綺麗な色のインクが出るのを楽しんでいる。けれども、ひとつだけ気になるのは、耐水性がまるでないこと。水性ボールペンは、乾けばあとから濡れても大丈夫なものが多いけれど、万年筆のインクはかんたんに溶ける。なぜだろうと思っていた。ある日、手を滑らせてズボンに万年筆を直撃させて、理由がわかった。落ちてよかった。
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ブルーマウンテンは幻のコーヒーだ。よく缶コーヒーで「ブルーマウンテン」を名乗るものがあるけれど、公取委は動かないのだろうか。というのも、缶コーヒーどころではなくて、ふつうの喫茶店の「ブルーマウンテン」も含めて、日本での流通量は、生産量を大幅に上回っていると聞くからだ。もともと、ジャマイカの山脈の名前だけれど、少量しか豆は取れず、有り難がるのも日本くらいだという。幻のコーヒー、見かけると気持ちがそわそわする。
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ムーミンのブームはすごいけれど、グッズが増えてはっぴーなのでそれほど「流行り」に対する抵抗感はない。そんななか、原作の小説を読まないひとも、そもそも原作が小説だと知らないひともいるらしいね。今回、『ムーミン谷の彗星』をあらためて読み直した。トーンが暗いのは、戦争の直後に出版されているから。不安が表れているのだろう。しかし、スニフのおどおども、スナフキンの飄々たる勇敢さも素敵なファンタジー世界を作っている。
【書誌情報】『ムーミン谷の彗星』、ヤンソン、下村隆一訳、講談社、2011