2014年6月16日月曜日

【ギャラリー】茶廊法邑「6色イリュミナシオン」展

札幌、東豊線の駅を降りてしばらく歩くと、赤い屋根のモダンな建築があります。小さな美術館のような入口。東京の表参道にありそうな喫茶スペース(根津美術館のカフェを思わせる。)。デザインの賞を受賞した美しい喫茶ギャラリー、法邑(ほうむら)さんです。


そこの企画で、版画家の川口巧海さんが自分を含む20代の作家6人をセレクト。静けさのなかで引き立つ色(黒からカラフルまで)、素材の豊かさと技法のバリエーションもじっくり観るほど楽しめる展示です。


佐藤レイラさんの白い作品。黒〜灰色の描線は、版画で刷ったもの。



ミクロな植物画は、土岐美紗貴さん。描くのではなく、草花を直接、刷る技法(詳しくはわからなかった。ごめんなさい。)で葉脈から花びらに入った筋の一本一本まで、自然の造形を紙のうえに固定する。


川口巧海さんの版画作品(「夜伽」)の一部を拡大。モチーフは月。精緻でかつ球体の迫力がある。


パズルのような数字ブロックとそこに腰掛ける羽ペンをもつ長髪の人物。上には翼。色味が少しずれた写真になってしまっていますが、黒の濃淡とその模様(色の薄い部分の模様)はとても撮り切れません。絶妙です。


楽譜は、ゴルトベルク変奏曲のアリア。版画で刷られるとなおいっそう美しい。手前はプラトン主義でしょうか、それとも作家に特有のモチーフとしてか、多面体が入れ子になっています。


高橋あおばさんの作品。これは膠石膏の独特の肌理。


ガラスの映り込みがありますが、紺色の空が広がり、そこに星が点描されている祭壇画のような四枚連作。蜜蝋クレヨンで描かれた質感が面白い。


奥の壁面に河合春香さんの大きな絵画。カラフルな抽象画ですが、これはその一部を拡大。


本の装丁も手がける松浦シオリさんのCG作品。パソコンで描いているというのに驚きました。藤の美しさも印象的。


もともと玉ねぎの倉庫だったという広々したギャラリー空間。喫茶スペースも落ち着き、そしておしゃれです。ゆったりとした時間を楽しめるでしょう。

「6色イリュミナシオン」展
期間:2014年 6月11日〜6月19日(火曜定休)
10:00〜18:00(最終日、17:00)
茶廊法邑 http://houmura.com/ (最寄り駅から最短ルートで行かれるためには地図を確認された方がよいです。DMがあれば、持って行くとよいでしょう。)